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言語訓練におけるプレイセラピー

以前はことばの前の発達段階にあるお子さんはお断りしていました。ことばが出るのは定型発達でも1歳以上。それ以前の発達段階では対面訓練は成り立ちません。ですが、最近は本格的な訓練が可能になるまで経過観察を兼ねて受け入れることもあります。


その際に行うのが「プレイセラピー」です。心理職などがよく行っていますが、心理職の行うプレイセラピーの目的は、カタルシス効果=精神の浄化でしょうか。自己肯定感が低くなっているお子さんに効果的です。


言語聴覚士の行う「プレイセラピー」は心理職のそれとは違います。

あくまで、ことばの発達に向けて必要な発達を促すことが目的です。遊びを通じて、そこで起こる事実を共有し、共同注意、三項関係、象徴行動、非言語性コミュニケーションを促して行くやり方になります。


共同注意は、子どもーモノー大人の関係のこと。

「ねこがいる」「ひこうきかとんでる」など事実を共有することで間接的にそのときの気持ちを共有する行為です。


操作の発達と共に、自分と大人との間に積極的にモノを介在させるようになると、見せる、もってくる、わたす、指さすなどの三項関係でのコミュニケーションができるようになる。


ふり、ごっこ、見立て遊びができるようになると、のむまねをしてほしいものを要求できるようにもなる。しかし、人間はこの段階の少し前くらいから音声を発することができるようになり、これらジェスチャーはことばを補完するように働く。


しかし、これらを実際のお子さんに適用するのは大変なことです。一緒にいる時間が長ければ少しずつお子さんの興味、好きなおもちゃ、移動、操作能力、日常生活の適応の仕方などわかるのですが、はじめからバシッと決めるには集中力、観察眼、知識が必要です。


(相馬敏郎)


 
 
 

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