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言語訓練で何をするのか?

このようなお問い合わせが多いので簡単に説明しますね。


言語聴覚士だけでなく、全てのセラピストの行う指導は以下の二つに分かれます。


精神療法ー個人の精神・認知(能力)・性格(パーソナリティー)・言語・コミュニケーションに介入し、変化することによって、行動が変化する。


行動療法ー個人の行動のうち、好ましい行動(こちらの目的とする)を強化(ごほうび)して行動形成する。


これら二つをそれぞれ純粋に行っているセラピストは少ないと思います。お子さんの発達段階を見きわめて次の発達段階に介入し課題を行うのは精神療法だし、できたらほめるのは行動療法といえるから。


言語訓練はまずは発達段階ー発達水準を確認し、発達相応の言語発達があるかどうかチェックすることからスタート。発達水準相応の言語理解と表現能力であればいわゆる言語訓練の適応ではありません。全体的発達とともに言語も発達していくでしょう。


発達水準相応の言語理解はあるが表現が追いついていないときは表現練習。


発達水準に合った言語理解がない場合は言語理解と表現を促す。


自閉症系のお子さんのように、ことばを知っているがことばの使い方(語用)がうまくできない場合はロールプレイで正しい使い方を憶えてもらう。「ただいま」「おかえり」「おなじ」「ちがう」など。


ことばはカテゴリー概念。目の前のはじめて見るいすを[isu]と呼ぶのは、ことばがイメージに命名されていて、具体的な目の前にあるものがイメージに含まれるとき[isu]という。絵カード名称がわかるなら概念形成されている。だから絵カードでことばを教えることはしない。


絵カードを使うのは即時呼称ー次々と早く言う、換語困難ーわかっているのにことばの音が出てこない、分類、状況の説明ー文法課題、聴覚的把持ーいくつ憶えていられるかなど。色、形、数にも使います。


(相馬敏郎)

 
 
 

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